PLAN
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二価鉄と光合成細菌を利用したバイオプライミング資材の販売
- チーム(学校名)
- BioPrimer(崇城大学)
プランの全体像
近年、肥料価格高騰が農業者の経営を圧迫している。また、長期的に国は「化学肥料の削減と有機農業拡大」を目指した施策を進めている。これらの課題に対応するために、簡便かつ低コストな農業技術の開発を行った。本提案は「バイオプライミング(種子や苗を播種・定植前に微生物や薬剤で処理する技術)」「二価鉄」「光合成細菌」の3つの要素を組み合わせ、肥料削減と作物の収穫量増加達成する農業技術である。本技術により、根の発達が促進され、肥料吸収効率が高まり、肥料削減と収穫量増大を同時に達成できる。提供する商品とサービスは、バイオプライミング(BP)液剤の販売、BP苗の販売、受託BPサービスである。
プランの着想のきっかけ
農作物の安定生産のために化学肥料が使用されるが、環境負荷の問題などから近年では使用量低減が望まれている。バイオプライミングは植物の種子や苗を、微生物や薬剤を含む溶液に浸漬する技術で、種子や苗を活性化して、播種・定植後の成長促進や病害耐性・環境ストレス耐性向上を行うことができる。また、播種・定植前の処理であるため簡便かつ低コストで行え、圃場散布と違い作物だけに効くことも利点である。本提案では、植物の成長促進効果があることが知られている二価鉄および崇城大学独自シーズの光合成細菌をバイオプライミングに応用した。これにより根の発達を促進して肥料吸収効率を高め、肥料削減を行うことができると考えた。
そのプランの実現手段・方法
これまでに二価鉄と光合成細菌バイオプライミングの効果を、イネとサツマイモで確認している。イネでは苗の根の発達がよくなり、結果として玄米収穫量が約20%増加した。サツマイモでも苗植え付け後の顕著な根の発達が確認されている。ビジネスは効果が明確で市場規模も大きい稲作で開始し、その後さまざまな作物に展開する。稲作では種籾用バイオプライミング液の販売と、バイオプライミング苗の販売を農家、JA、農事法人などに行う。また、二価鉄と光合成細菌だけでなくさまざまなミネラル、植物ホルモン、微生物によるバイオプライミングの効果を今後検証して、より効果が高いバイオプライミング技術を開発していく。