PLAN
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SEA SEE
- チーム(学校名)
- SEA SEE(熊本学園大学)
プランの全体像
SEA SEEは、漁業者と研究機関が協力して海洋データを共有・活用するプラットフォームです。漁業者の漁船に海水淡水化装置とIoT機器を搭載し、海水温度や塩分濃度、GPS位置などの海洋データを自動収集します。漁業者は漁のついでに得たデータをSEA SEEに提供し、研究機関はそのデータを購入。漁業者は副収入を得ることで経営の安定化が可能になります。一方、研究機関は、調査船を使わずとも広範な海洋データを活用でき、調査コストを抑えつつ正確な資源管理が可能になります。また、真水を船上で生成することで漁業者の給水コスト削減も実現します。漁業の効率化、研究の促進、環境保全を同時に進める革新的なシステムです。
プランの着想のきっかけ
日本の漁業者は、2018年の漁業法改正後、全体の80%を占める小規模漁業者が漁獲枠の減少に苦しんでおり、経営が不安定化しています。さらに、燃料費の高騰や港での給水コストが負担となり、効率的な運営が難しくなっています。一方、海洋研究機関も予算の削減で調査船の運用が減少し、データ収集が困難になっています。これらの課題を解決するため、漁業者の漁船をデータ収集の手段、つまり調査船として活用し、副業収入を提供するアイデアを思いつきました。漁と調査を両立させることで、資源保護と環境研究を促進し、漁業と研究が互いに支え合う新しいエコシステムを構築することが「SEA SEE」誕生のきっかけです。
そのプランの実現手段・方法
まず、漁業者の漁船に海水淡水化装置とIoT対応センサーを設置します。センサーは、海水温度、塩分濃度、栄養塩濃度、GPS情報などを自動的に収集し、SEA SEEのクラウドプラットフォームに送信します。研究機関はデータを購入して資源管理や研究に活用します。収益の一部は漁業者に還元され、副業としての収入を提供します。また、船上で淡水化した真水を利用することで、港での給水にかかるコストを削減。政府や自治体、研究機関との連携を進め、システムの導入を促進します。最終的には、地域の漁業者支援と海洋研究の発展を目指します。